足尾とわたらせ渓谷鉄道

大正時代の繁栄の歴史をしのぶ町

みなさんは足尾と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?

足尾銅山、鉱害、銅山観光と言ったところでしょうか?

今は高齢化に悩む人口1600人ほどの町ですが、大正時代には宇都宮に次ぐ栃木県第2となる4万人近い人が暮らしていました。

当時の足尾は日本一の銅山と言われるほどでしたが、他所に先駆けた近代化が鉱害という問題を起こしてしまい、現在は枯れた山の復興などのボランティア活動が行われています。

それは今も続いている重い課題ですが、反面交通網や炭鉱の掘削や精錬技術などで、日本でも最先端の場所の一つだったことも事実です。

このため、足尾は往時の歴史を色濃く見ることができる町でもあるのです。


ガソリンエンジンで走るトロッコ列車

銅山観光近くの足尾の中心部と言える通洞駅から足尾駅までのわたらせ渓谷鉄道沿いに細い道が続いています。

かつてはこの道沿いにレールの軌道が敷かれ、ガソリンエンジンで動く小さな機関車のような形をしていた「ガソリンカー」が

走っており、人々の生活の足となっていました。

現在は通洞にあるあしおトロッコ館に展示してあり、日によっては乗車することもできます。

ロッコ列車が人気で、シーズンは観光客でにぎわいます。


わたらせ渓谷鉄道

わたらせ渓谷鉄道は、足尾の銅や鉱山で使用する材料を運搬するために大正元年に「足尾鉄道」として開通、その後国鉄(JR  東日本)の足尾線となり、現在の第三セクターが運営するわたらせ渓谷鉄道となりました。

またわたらせ渓谷鉄道には開通当時の駅舎や鉄橋などの多くがそのまま残っており、国の文化遺産として保護されています。

また当時はトンネルを掘る技術があまりなかったため、渡良瀬川沿いに山あいを縫うように走っているのも特徴で、これが美しい景観を生み出しており、春の桜、夏の新緑、秋の紅葉と四季折々の風景が車窓から楽しめます。

 中でも自然と一体になって走るトロッコ列車が人気で、シーズンは観光客でにぎわいます。